浄土真宗 専立寺|住職のご紹介とお寺の将来展望

生きた(命)証と親族のきずなをお寺で継ぐ

「浄土真宗 専立寺」16代住職 隈部成宏

一般のサラリーマン家庭で育ち、龍谷大学で仏教学を学び、平成6年に得度しました。 平成10年に先代15代隈部静亮の後継者として入寺、平成27年に教師資格を取得し、仏陀、親鸞聖人の教えを根本に地域に根差したお寺、命のつながりを伝えるお寺であり、新たなお寺の在り方を目指しております。

16代住職として現在まで守ってきていただきました先祖の方々の心を知り、命の尊さを感じることができる場であり、この地域文化の継承の場にしたいと考えております。 今までの寺の在り方にこだわることなく、命のつながりを大切に感じることが出来るお寺の在り方を目指しています。 仏教の教えの「如実知見」通りに自然の法則に従って、お寺をあるがままに仏様の教えを学ぶこと、大切な方々のご供養すること、皆様の喜び・悲しみを分かち合うことが出来る場所に、また、子供達が自然体験できる場所であり、心が元気になる場に致します。

故人をご供養する歴譜墓永代供養

当寺は、先祖代々から受け継がれてきました地域の文化活動を通じまして、だれもが親しみやすいお寺を目指しています。 現在の我が国が核家族で少子の社会になりまして、当地域を離れて大都市などで生活されてこられました方々から、死後の安住の地を故郷にしたいとの要望があります。 大都市では石塔によるお墓用地の確保は、高額になり、仕事場から遠隔地になり、子供や孫の墓参りも困難な状況になっています。 また、我が国の人口減少進む中で、山鹿市の当寺では檀家様の減少が進んでいます。 全国的にも寺を存続させることが大変困難になっています。

このような社会状況ですから、大切な方々を永代にわたり供養出来る場として、当寺の納骨堂を活用して頂くことにいたしました。 故郷を離れておられた故人の人生史や子孫に伝えたい事等を焼き付け印刷した陶板(歴譜板)と電子メモリーを位牌や焼骨と一緒に永年保管致しましてご供養いたします。

お墓・埋葬について思うところ

埋葬の歴史を考えますと、土葬から火葬へと変化し、「個人墓」から「先祖代々の墓」へと変化しました。 明治時代の民法下では、墓は先祖祭祀の対象であり、長男が相続すると定められました。 そのような歴史を経てきまして現在のお墓の概念が出来上がり、その在り方に対峙する様に、現在では供養の形が多様化してきました。 ここ数十年におきまして、私たちは地域社会・生まれ育った家の束縛から解放されて、自由に居住地を選べるようになりました。 その結果、地域社会の崩壊が進み、他人(ひと)とのかかわりが希薄になってしまい、様々な社会問題が起こっています。 近頃では、自分の周りの方々への「いのちの軽視」というべきことがたくさん起きています。

歴譜墓は「いのちのつながり」が実感できる供養の在り方であり、故人は、まだ見ぬ子孫に未来を託し、「いのちのつながり」を伝える安らぎを感じてもらうことが出来るものと思います。 子孫は、自分の先祖の歴譜を知ることで、限りある命であり、誰にも変わることが出来ない尊い命を先祖が生きたことを実感でき、自分の「いのち」の尊さに気づくことになると思います。 歴譜墓は、人の生き様を伝えることが出来る弔いの在り方です。 是非とも歴譜墓に御賛同いただきたいと思います。